リビング

桜の木の下のひよこ

我が家では自然素材を用いた家造りを行いました。
フローリングやテーブル、テレビ台など、無垢材を使用して感じた特長やデメリットをご紹介します。

 

無垢材の特長

無垢材とは?

無垢材は、天然木の丸太をそのまま加工して、1枚板として使用するものです。
自然素材をそのまま活用することから、以下の特長が挙げられます。

無垢材の特長

・熱伝導率が低いため、フローリング材の場合ヒンヤリ感が少ない。
・天然木本来の肌触りを感じられる。
・調湿作用がある。
・経年による風味の変化を楽しめる。

木材そのものの熱伝導率は低いため、フローリングなどに使用すると、冬場など足元のヒンヤリ感が軽減されます。
さらに、夏場はヒンヤリ感があり、フローリングに寝そべると快適です。
肌触りも良いため、なるべく素足で家の中を歩き回りたくなるほどです。

このほか、調湿作用(湿度が高いときは吸湿、湿度が低くなると放湿)があるため、室内環境の改善に役立ちます。
もちろん、加湿器や除湿器ほどの効果があるかと言われれば疑問ですが、無垢材活用の家とそうでない家では違いが出るのではないでしょうか。

また天然木らしく、経年変化(色合いや風味の変化)を楽しむことが出来るのも魅力の一つです。

我が家で使用した無垢材の種類

天然木にも様々な種類があり、それに応じて無垢材として活用する際もその特長を活かす必要があります。
ここでは我が家での使用木材を中心に紹介します。

オーク(ナラ)

硬木であるため、傷や衝撃に強く、フローリング材として代表的な種類です。
我が家ではフローリング材のほか、戸棚や扉の造作家具(※造作家具は集成材)にて使用しています。
木目の美しさもあり、広範囲に使用できると空間の印象が良くなりますね。
リビング2

パイン(マツ)

オークに比べて柔らかく温かみのある色合いが特長のパイン材。無垢材の中でも比較的ローコストな素材です。
節が入るのも特長であり、一つ一つの素材が際立ちます。
柔らかい肌触りから、フローリング材として使用すると心地よい感覚を享受できますが、傷や衝撃には弱いため、維持管理がやや大変かもしれません。

アカマツなどは構造材としても適しており、我が家の梁もアカマツです。
※構造用集成材として使っています。
梁

玄関~リビングに入る扉は、造作扉としてパイン材にて作製してもらっています。
(着色あり)
造作ドア

クリ

秋の味覚としても楽しませてくれる栗ですが、栗の木は硬さや耐久性に定評があり、鉄道の枕木などにも使用されていました。
家材としてもお馴染みの無垢材といえます。
特長として、水に対して強く、耐腐食性能が高いこと、また木目もはっきりしています。
我が家ではテレビ台、洗面台部分へ使用しています。洗面台部分は水もかかりやすいですが、持ち前の特長を活かしてくれることに期待です。

テレビ台部分
テレビ台

洗面台部分
洗面台
※天然木用のワックスも塗っているので、意外と耐水性は問題ありません。
もちろん濡れたらすぐに拭き取るようにはしています。

タモ

木製バットの原料としても有名なタモの木。
均質な木目が出やすく、耐久性の高さもあり家具材などに利用されています。
我が家では、集成材としてダイニングテーブルにタモ材を使用しています。

ヤマザクラ

赤みを帯びた色合いが特長で、耐水性や加工性が高く、家具材として適しています。
ただし、割裂しやすい性質があり、木目に沿ってひび割れが発生しやすいです。
経年による風合いで、より赤みを増していきます。

我が家では書斎のテーブルに使用して楽しんでいます。
書斎ヤマザクラ

 

無垢材と集成材の違いについて

集成材とは?

無垢材が天然木の丸太から1枚板として切り取って使用しているのに対し、集成材は木材を小さくカットし、接着剤で貼り合わせたもの。
最大の長所は、狂いや割れなどは生じにくく、安定した品質を確保していること。
無垢材ほどの風味は感じられないが、コストは無垢材より安価である。

我が家でも各部屋への主要な扉や収納用戸棚などは、ナラの集成材を使用して造られています。
集成材
横向きに木目が揃っているのがわかるかと思います。

集成材のメリットは、無垢材と違い、反りや割れなどが生じにくいことです。
そのため、狂いが生じて困る部分への使用はありだと思いますし、コスト的にも無垢材を使用するより安価となります。
無垢材に比べ、風味などは劣るものの、コスト調整にオススメです。

無垢材のデメリット

無垢材の特長でも述べた通り、調湿作用や肌触りの良さ、断熱効果が高いことがメリットとなる無垢材ですが、
デメリットももちろん存在します。

無垢材のデメリット

割れや反りなどの狂いが生じやすい。
集成材や人工加工品に比べコストがかかる。
手入れの手間がある。

天然木をそのまま使用するため、乾燥期間を経ても環境によっては反りや割れなど容易に発生します。
全館床暖房である我が家では、特に冬場のナラ材(フローリング)で顕著に見受けられます。
そういった狂いも含めて楽しむ心づもりが無いと、ただただストレスにしかならず無垢材をオススメすることは出来ません。

我が家のビルダーは、基本的に調整作業などは点検時に無料で対応してくれます。
標準で無垢材を使用しているビルダーのため、そういった対応方針なのだと思いますが、さすがにまだ建築2年で依頼するほどの狂いは生じていません。

無垢材の使用を考えている方については、調整作業などアフターフォローの方針に関してビルダーさんにしっかり確認したいところですね。
まず何かしらの狂いは生じるものとして考えた方がよいと思います。
(それを楽しむのが無垢材とも言えますので)

まとめ

雰囲気が落ち着いたものになり、それでいて心地よい感覚を感じることが出来るのが無垢材を使用した際の利点かと思います。
特に肌が触れる部分の素材については、無垢材の持つ肌触りの良さを感じられるため、満足度がとても高くなります。

長く生活するうえで、経年変化を楽しめるのも魅力的です。
無垢材の種類は豊富ですので、選ぶ楽しさもあり、使ってみたい種類があれば積極的に検討しましょう。

ただし、天然木特有の反りや割れなど、人工加工品では起き得ない症状が出るのも無垢材ですので、そういった狂いが気に入らない人は止めておきましょう。
何かしらの狂いは起きるものですので、そういう方にとって、無垢材はストレスにしかなりません。

無垢材を使用する際は、狂いなどの対応方針についてビルダーさんに確認しておき、なるべく負担の少ない方法を検討したいところです。
コストが問題になる場合は、集成材の使用も検討していけば良いかと思います。