
ディーゼルエンジン搭載車の燃料添加剤として有名な、ワコーズのディーゼルワンについて使い方と効果のほどを記事にします。
ワコーズ ディーゼルワンとは?
株式会社和光ケミカルより販売されている、ディーゼルエンジン搭載車両向けの燃料添加剤です。
近年のクリーンディーゼルエンジンは、超高精密な燃料噴射装置(コモンレールシステム)によって性能を大きく伸ばしております。
ディーゼルワンは、エンジン内での燃焼における噴射口(インジェクター)の目詰まりや汚れを洗浄する効果があると言われています。
メーカーHP上では以下のとおり説明されています。
次世代型ディーゼルエンジンの主力部品である「コモンレールインジェクションシステム」は、排出ガスのクリーン化や燃費向上、振動低減など様々な恩恵を受けることが出来る「精密制御機械」です。
しかし、燃料に超高圧・高温という負荷がかかることで、従来の汚れとは異なるラッカー状汚れをインジェクター内部に発生させ、不具合の原因となることが知られてきました。超精密機械であり精度の高い制御が行えるということは、微細な汚れが大きなトラブルに繋がり易いという側面を合わせ持つことにもなるのです。
そこで、このインジェクター内部に発生する微少なラッカー状汚れを洗浄するため、より強力なインジェクター洗浄専用軽油添加剤を開発いたしました。
(出典:https://www.wako-chemical.co.jp/products/recommendation/D-1.html)
燃料の噴射量に影響が出ると、当然燃費や走りにも悪影響が及びます。
ディーゼルエンジンは煤やPMなどがどうしても発生してしまいますので、エンジン燃焼室内の汚れ蓄積は当然起こり、走行距離が伸びるにつれこのリスクは高いものとなります。
ディーゼルワンを使用することでそれらリスクヘッジを行えるとともに、以下のような特長が謳われています。
・インジェクター(燃料噴射口)の洗浄による燃焼の改善
・エンジンの振動抑制、始動性のアップ
いずれも燃料噴射を適正に行うことで得られる効果といえそうですね。
ディーゼルワンの使い方(一般乗用車)
ディーゼルワンの使い方はどうすればよいでしょうか?
製品の規格として以下の2種類があります。
・1,000mLタイプ
・200mLタイプ
燃料添加剤は給油口から投入するだけの簡単な作業でよいのですが、細かい使い方は以下のとおりです。
・添加率は0.5%~2%内に収めること
※但し状態異常車両は、添加率は低めからスタートさせること
・最初にディーゼルワンを投与して燃料補給を行うこと
・燃料フィルターの交換時期が近い場合は、交換してから投与すること
・投与時、車両や皮膚に付着しないようにすること
添加率の確認をすること
添加率は0.5~2%以内となりますので、使用車両の燃料タンクの容量を確認しましょう。
私の場合、アテンザのタンク容量は62Lとなりますので、以下使用量の目安になります。
上限値(2%) | 下限値(0.5%) | |
---|---|---|
アテンザ(容量62L) | 1,240mL | 310mL |
(計算式)
上限:62,000mL×2%(0.02)=1,240mL以内
下限:62,000mL×0.5%(0.005)=310mL以上
製品規格は、1,000mLタイプと200mLタイプとありますので、必要量に応じて使い分けてもいいかと思います。
ただし、ボトル形状は大きく違うため、燃料タンクへの投与にあたって工夫が求められることもあります。(後述)
ディーゼルワン→燃料投与の順番で行うこと
これは燃料への混ざり具合を進めるための方策です。
スタンドでは、先にディーゼルワンを投与し、後から燃料となる軽油を入れましょう。
燃料によって攪拌されるため、ディーゼルワンが程よく混ざり合い効果を高めます。
燃料フィルターの交換時期が来ていれば交換してから投与すること
私のアテンザの場合、6万kmごとに燃料フィルターの交換を行うようメーカー取説にあります。
もしディーゼルワンを投与するタイミングが、燃料フィルター交換時期近くであれば、先に交換を済ませてから投与しましょう。
交換時期でなければ、あまり気にする必要はありません。
また、私のアテンザの場合、DPF再生時に多少の燃料がエンジンオイルに混ざります。(DPF付車両は全て該当する案件です)。
そのため、ディーゼルワンを投与し、走行完了後にはすぐにエンジンオイル及びオイルエレメントを交換できるようにするため、定期点検前の投与が定着しました。
車両や人体への付着には気を付ける
車両に付着した場合、塗装面に悪影響を及ぼします。
人体への付着も同様です。
取扱には保護手袋を使用するなど、充分注意しましょう。
とはいえ、ディーゼルワンの容器はめったなことが無ければ液漏れ等起こすことはなさそうです。
ディーゼルワンの効果
私がこれまでディーゼルワンを使ったのは2回。
最初の使用は、172,000kmを経過したあたりでの投与でした。
投与前 | 投与後 | |
---|---|---|
燃費改善効果 | 16km/L台 | 平均18km/L台 |
DPF再生間隔 | 200~210km程度 | 220~250km程度 |
アクセルレスポンス | 若干鈍い | 少し良くなった |
ディーゼルワンを投与しようと思ったのは、上記3点の悪化が感じられたのが原因です。
走行距離も相当なものだったので、改善効果が出るか半信半疑でしたが、燃費・DPF再生間隔に関しては数値上効果を感じられました。
アクセルレスポンスは、エンジン燃焼以外の部分も多分に影響があるはずなので、ディーゼルワン単体での大きな改善効果を体感することはありませんでした。
しかしながら、燃焼効率が改善されたことが窺えますので、レスポンス改善においても効果はあったものと思います。
2021年10月、3回目の投与を行っています。(186,100km走行時点)
更なる効果を感じられた場合は追記していきます。
ディーゼルワン使用上の注意点
添加率は控えめがよい
添加率は最大で2%とあれば、洗浄効果を高めるためにもその近辺の量を投与したくなります。
しかし、以下の理由からオススメしません。
1.燃料添加剤は燃焼自体には優しくない
含有される有効成分は、エンジン内の燃焼自体には良くありません。添加量が多いと想定外の不具合が生じる恐れもあります。
また経年車など汚れの蓄積が大きい車両や不具合症状のある車両については、添加率は低めから始めるよう製品外装に記載があります。
2.コストパフォーマンスの悪化
私のアテンザの場合、上限値の投与量は1,240mLとなりますが、製品規格は1,000mLと200mLの2種類となるため、必要量を揃えるにはそれぞれを購入すれば良いです。
しかし、200mL規格は購入コストが高く、それなら1,000mLを1本買って使用しようという気分になります。
※参考 amazon価格
1,000mL 4,802円
200mL 2,980円
1,000mL缶を2本購入し管理しても良いのですが、そうそう頻繁に投与するものでもありませんので、必要な時に必要な分だけ欲しいのです。
3.DPF再生時のエンジンオイルへの燃料混入
エンジンオイルへの燃料混入は、DPF再生時は避けられません。添加率を高めるとこのあたりへの影響も出てきそうですので、控えめにしています。
上記より、私の運用はこうです。
1. 1,000mL規格を1缶購入
2. 500mL×2セットに分けて、満タン給油時に連続投与
3. これにより添加率0.8%にて洗浄距離は2,000km以上を確保
私の使用環境では、1回の満タン給油で1,000km以上の走行が可能ですので、充分な洗浄距離となるものと思われます。
投与方法について
ディーゼルワンの1,000mL規格について、形状を見れば想像がつきますが、このままだと給油口からの投与はとても難しいです。
また、投与量もある程度は判別する方法が必要になります。
200mL規格のように注入口が長くなっていれば扱いやすさも上がるのですが・・・
200mL製品図(出典:https://www.amazon.co.jp/)
私の場合500mLを2回に分けて投与していますが、投与量把握には500mLペットボトルへ移し替えることで対応しています。
ペットボトルは洗浄後乾燥させてからの使用です。
なお、不純物が入っていないミネラルウォーター用を使っています。
メロンソーダみたいな色合いです。
ペットボトルなら給油口からの投与も問題なくできますので、意外と便利ですよ。
洗浄走行後はエンジンオイルとエレメント交換&燃料噴射量再学習実施
先にも少々触れましたが、DPF再生時にエンジンオイルに燃料が混ざります。
ディーゼルワンも混ざることになりますので、洗浄完了後はエンジンオイル及びオイルエレメントの交換を忘れずに実施したいですね。
また、インジェクター洗浄により、燃料噴射状況にも変化が出ている可能性が高く、噴射量の再学習も忘れずにしておきましょう。
一連の処理をまとめて行えるタイミングとして、私は定期点検前にディーゼルワンの投与を実施するようにしています。
類似製品との違い
同様の製品として、複数のケミカルメーカーから販売がされております。
メーカー純正品の販売も行われており、マツダからも販売されています。
(出典:https://www.kansai-mazda.co.jp/service/selections/depositcleaner.php)
メーカー純正とあれば安心感がありますが、250mLでも3,000円を超える価格となり、現状ではディーゼルワン(1,000mL)のほうがコストパフォーマンスが高いです。
得られる効果に大きく差はないと思われ、今の価格差であればディーゼルワンを使用し続けようと思っています。
ただ、250mL1本の投与で効果が出るらしく、一度は試してみたいという誘惑も・・・
まとめ
・1,000mL規格はコストパフォーマンス良好
・たっぷり使えるので洗浄走行距離を長く取れる
・カーケミカル用品として有名な和光の取り扱い製品
・1,000mLの缶は、給油口からの投与には使いにくい
・200mL規格のコストパフォーマンスは悪い
・燃費改善
・DPF再生間隔向上
・アクセルレスポンス改善